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谷本誠一・保護者へのアドバイス 4

相手の大人が二歩を指しましたが・・・

平成14年5月20日

 
 将棋大会での二歩は指したら即刻負けとなります。その場合は審判もしくは大会主催者を呼んで判断を仰ぐことが大切です。お子さまはそんなことはできないと思いますので、保護者が見ていて気づけばそのような措置を採るのが最善手となります。対戦相手のおじいさんは、相手が子供なのでごまかせると考えたのでしょう。保護者も現場を見ていなかった場合は、大人に押し切られることが十分考えられます。大会が小規模であればあるほど、そこらあたりがあいまいになりますので、保護者として注意が肝要です。お子さまが泣き出したのは、子どもの純粋な気持ちからどうしても納得がいかなかったからだと思われます。父親としては、将棋を途中で投げ出すことをよしとせず、指し継がせたのでしょうが、それは相手に指し直しを受け入れてしまって以降のことでしょうから、その場合では最善手でした。ただ、惜しむらくは指し直しを受け入れないところから出発して欲しかったと、お子さまとしては悔いの残る戦いだったに違いありません。
 ところで私たちの主催する呉学生将棋名人戦では、小学生低学年の部と小学生高学年の部だけは、上記の例外を適用し、王手無視や二歩その他の反則行為の場合、審判がその場で反則を注意し、待ったを許し指し継がせています。それも最初のルール説明で明確にしているところです。これは棋力のレベルを考慮したもので、大会の種類によってはそういうこともあるということを一応認識しておいて下さい。
 ついては今回の教訓を糧として、勇気を持って反則勝ちを宣言できるようにして下さい。今後二歩等の反則を指されたら、その場で反則を指摘し、勝利宣言するのがベストです。こちらが毅然とした態度で臨めば、相手は後ろめたさがあるだけに、諦めてしまうものです。
 以上のことはあくまで将棋大会での約束事です。普段の友達同士やおとなとの対局では、寛容な心を持って許してあげてもよいと思います。反則で勝っても喜びは沸いてこず、実力で決着をつける方がすっきりします。結論としては、練習将棋ではゆとりや寛容な心を育て、大会将棋では勝負に徹するべきというふうに割り切っていただけたらと思います。